免疫について少しわかったけれど、細菌感染についてまだわからないことがあるな。と思っている方いませんか?
この記事では、細菌感染から体を守るために免疫細胞がどうやって働いているのかについて解説します!
今回は「B細胞のはたらき」に注目していきたいと思います!!
これを読めば、B細胞や抗体についての知識がさらにつくでしょう!
他の細胞たちは働いていないのかな…?
まだ前の章を読んでいないという方はこちらの記事をご覧ください↓
第1章 【免疫学入門】免疫(めんえき)ってなに?
第2章 【免疫学入門】初心者でもわかる細菌とウイルス
第3章 【免疫学入門】細菌感染から守る!自然免疫細胞の活躍 編
B細胞ってどんな細胞?
B細胞を紹介します!
存在割合の引用:Berrington, J. E.; Barge, D; Fenton, AC; Cant, AJ; Spickett, GP (May 2005). “Lymphocyte subsets in term and significantly preterm UK infants in the first year of life analysed by single platform flow cytometry”
上の情報の中でわからない単語があるかもしれませんね。
体の中でB細胞などの免疫細胞が成長する場所は骨髄といいます。
ここでB細胞は作られます。
そして、B細胞は細胞の表面に抗体(Immunogloblin : Ig)という
ある特定の抗原(標識のようなもの)にくっつくことができる物質を出しています。
この抗体というものは大きく5つ(IgM, IgA, IgG, IgM, IgE)に分けることができ、その中でIgMという抗体をB細胞は最初にもっています。
それぞれのB細胞はIgMという抗体を持っていますが、
そのIgMは形やくっつく抗原の種類が違います!
さらに、B細胞は1種類のIgMしかもっていません。
つまり、こういうことです。
このように、細菌の抗原にくっつく抗体をもっていたB細胞はその細菌を取り込んで、抗原提示をします。
次に、ここでの抗原提示を説明します。
細菌侵入からの抗原提示
マクロファージや樹状細胞について知りたい方はこちら↓
【免疫学入門】第3章 細菌感染から守る! 自然免疫細胞の活躍 編
それでは、抗原提示とはなんでしょう?
B細胞はこのように抗原提示しているのでしょう。
B細胞以外にも自然免疫細胞が非特異的に
細菌を貪食して(食べて)抗原提示するのです。
注意ポイント
マクロファージや樹状細胞は非特異的に細菌を食べますが、B細胞は特異的に(細菌の抗原にくっつく抗体をもっている者のみ)細菌を取り込むことができます
このようにB細胞はT細胞に抗原提示をします。
さて、その後B細胞はどうなるのでしょう?
活性化したB細胞の抗体産生
B細胞はT細胞に抗原提示をします。
抗原提示を受ける前のT細胞はナイーブT細胞といい、
未熟です。
しかし、抗原提示を受けることで他の細胞を活性化できる
エフェクターT細胞になります。
エフェクターT細胞には2つあります。
- 制御性T細胞(レギュレトリーT細胞)
- ヘルパーT細胞
ここでは、ナイーブT細胞からメモリーT細胞に成長します。
そして、B細胞はこのヘルパーT細胞から次のように活性化されて抗体をつくります。
B細胞は3つの条件をクリアすることで、別の抗体IgGをつくれるB細胞に成長します。
このIgGはオプソニン効果を高めてくれるため、
細菌を徹底的に殺すために重要なのです。
参考
オプソニン効果とは好中球などの貪食細胞が細胞や細菌を食べやすいようにする効果です
このB細胞から放出されたIgGが細菌の抗原にくっつき、
さらに好中球が非特異的に細菌を食べて殺します。
B細胞がいることにより、
細菌を殺すための免疫反応がより強くなるのですね。
まとめ【細菌感染から守るB細胞のはたらき】
B細胞は次のような特徴をもった免疫細胞です。
チェックリスト
- 骨髄でつくられる
- 最初からIgMという抗体を細胞表面にくっつけている
- 成長して抗体を産生することができるようになる
そして、B細胞は次のような流れで細菌を殺します。
- 侵入してきた細菌の抗原にくっつくことができるB細胞が反応する
- そのB細胞(樹状細胞も)が抗原を取り込む
- B細胞(と樹状細胞)がT細胞に抗原提示する
- ヘルパーT細胞がB細胞を活性化させる
- B細胞がIgGをつくれるようになり、放出する
- IgGがくっついた細菌を好中球が食べて殺す
細菌を徹底的に殺す方法を大まかに説明しました。
ここまで読んでくださり、ありがとうございました。
さらに本で学びたいという方は最後まで↓読んでいただけたら嬉しいです。
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