免疫(免疫)って知ってますか?ここ最近よく耳にする言葉ですが、正直わからないよって思っていませんか?この記事ではそのわからないに答えます!初心者でもわかりやすく「免疫」について解説しています。これを読めば身体の中の細胞の働きに驚くかもしれません!?
その「なぜ?」にこれから答えていこう!!
目次
免疫(めんえき)とは?
免疫とは一般的に「感染から自分の身体を守る仕組み」のこと言います。
私たちの身の回りには目に見えない病原体が沢山います。
そのため、そのような環境の中で私たちが健康に生きることができるのは
この免疫というものがはたらいているおかげなのです。
身体の中に存在する細胞のうち免疫細胞が毎日必死にはたらいているのです。
病気が治ったりするということだね
自然免疫と獲得免疫の違いってなに?
免疫は身体を守る仕組みと言いましたが、
本来の意味は
「1回ある病原体が感染したら、その病原体の感染に対して攻撃する力がより強くなる。つまり、1回目で病原体を記憶したために2回目はその病原体が感染しづらくなる。」
ということなのです。
このことを踏まえて2種類の免疫を学びましょう。
自然免疫
簡単に言うと、自然免疫とは
「非特異的(反応する物質の種類が限定されていない)な身体を守るための仕組み」です。
ある病原体が1回感染しました。しかし、自然免疫ではその病原体を特定のものとして認識することができません。
そのため、2回目以降に同じ病原体が感染しても、以前感染したものであると判断できないためにランダムに攻撃を仕掛けます。
これでは病原体に対する攻撃力がパワーアップしませんね(下の図)。
一見、自然免疫は強い反応ではないと思われるかもしれません。
ところが、この認識せずにランダムに攻撃することができるということにメリットがあります。
なぜかというと、侵入してきた病原体を最初に特定する時間が削減されるため、すぐに攻撃できるのです。
ということは、一番早い反応はこの自然免疫ということになります。
獲得免疫
簡単に言うと、獲得免疫とは
「抗体による特異的(反応する物質の種類が限定されている)な身体を守るための仕組み」です。
つまり、ある病原体が1回感染し、その時に抗体が作られます。2回目以降に同じ病原体が感染したときに、「あ、昔会ったことのある敵だ!!」と認識します。
その認識が他の免疫細胞によって伝達され、その病原体に対する抗体が1回目よりも素早く大量に作られます。こ
れは攻撃力が強まっていますね(下の図)。
感染する回数が多いほど、その攻撃力はよりパワーアップします。
自然免疫よりも強力な反応と言えるでしょう。
しかしながら、病原体とその病原対する特異性をもっている免疫細胞が遭遇しなければならないというデメリットがあります。
言い換えると、ある特定の敵を殺すためのアイテムあるいは武器を持っている者(その敵を殺すのが非常に得意な者)でなければ攻撃できないということですね。
そのため、自然免疫よりも遅い反応になります。
自然免疫と獲得免疫は互いに弱い部分を補っているように見えますね。
マクロファージとか好中球ってなんですか?
血液の中にいる細胞たち
血液の中では沢山の細胞がいます。
血液細胞は赤血球、血小板、白血球というように大きく3つに分けられます。
その中で白血球が免疫細胞としてはたらいています。
それぞれの細胞の大まかな役割を図で説明します。
これらの細胞はそれぞれが特有のはたらきを持っています。
お互いに協力しあって身体を守っているのです。
ここで紹介していないはたらいている細胞がこの他にも存在します。
別の記事で説明しますね。
とりあえず、ここで紹介した細胞が重要です。
病原体を攻撃する3つの方法
①病原体を食べよう
この攻撃方法では食細胞がはたらきます。
食細胞といえば、好中球とマクロファージですね。
他にも単球や樹状細胞といった食細胞が存在します。
これらの細胞が非特異的に病原体を(丸ごと)食べて、消化します。
非特異的ということは…
自然免疫ですね。
しかしながら、この病原体を食べる食細胞には欠点があります。
- 血流の中を流れており静止していない病原体を捕まえることが苦手
- 病原体から放出された小さい分子を処理することが苦手
- 細胞の中に侵入した病原体を殺せない
それでも、傷口などから入ってきた病原体をやっつけてくれるので
重要なはたらきをしています。
②感染細胞を殺そう
この攻撃方法ではT細胞、特に細胞傷害性(キラー)T細胞がはたらきます。
この細胞は抗原を認識するレセプターというものを細胞表面に出しています。
T細胞はT細胞レセプターを持っています。
このレセプターで病原体が感染してしまった細胞を見つけて、特異的に殺します。
基本的には自分の正常な細胞と区別することができる機能を持っています。
特異的ということは…
獲得免疫ですね。
しかしながら、感染した細胞を殺せるのはT細胞だけではありません。
先ほどは出ていませんでしたが、NK細胞(ナチュラルキラー細胞)という免疫細胞が存在します。
この細胞もレセプターを持っており、病原体が感染した細胞を見つけると「なんかこの細胞はおかしいぞ?」と認識し、直ちに攻撃を開始します。
このNK細胞は別の記事で解説します。
③病原体の抗原に対する抗体を作ろう
この攻撃方法では主にB細胞がはたらきます。
この細胞も抗原を認識するレセプターというものを細胞表面に出しています。
B細胞はB細胞レセプターを持っています。
このレセプターで病原体を認識して、その病原体に対する特異的な抗体を作って放出します。
特異的ということは…
獲得免疫ですね。
このB細胞が作る抗体には次のような機能があります。
- 病原体や病原体が放出した分子に結合して無力化する
- 食細胞を引き寄せて貪食を促進させる
他にも機能がありますが、ここではこれらを押さえておけば大丈夫です。
まとめ【免疫とは何か?】
第1章にしては盛り沢山だったかもしれません。
ここでこの記事のおさらいをしましょう。
- 「免疫」は「感染から身体を守る仕組み」
- 「自然免疫」は「非特異的な身体を守るための仕組み」
- 「獲得免疫」は「抗体による特異的な身体を守るための仕組み」
- 白血球が免疫細胞としてはたらいている
- 3つの病原体を殺す方法がある
- 病原体を直接食べる
- 病原体が感染した細胞を殺す
- 病原体の抗原に対する抗体を作る
これで以上です。
ここまで読んでくださりありがとうございました!!
最後におすすめの本を紹介します。
私が免疫に興味を持つことになった1冊です。
『はたらく細胞』という漫画です。
これは免疫細胞を擬人化したキャラクターで構成されており、
インフルエンザやがんなど聞いたことのある病気を
わかりやすく説明しています。
個人的には白血球推しです。
電子書籍を持っている方は試し読みができるので
是非一読してみてください。