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【免疫学入門】第3章 細菌感染から守る! 自然免疫細胞の活躍 編

免疫について少しわかったけれど、細菌感染についてまだわからないことがあるな。と思っている方いませんか?

この記事では、細菌感染から体を守るために免疫細胞がどうやって働いているのかについて解説します!

今回は「自然免疫細胞」に注目していきたいと思います!!

これを読めば、自然免疫についての知識がさらにつくでしょう!

 

女の子
免疫細胞たちは私たちの体を感染から守っていることはわかったけれど、
まだ分からないことがあるよ…。
そうだよね。まだわからないことがたくさんあるよね!
Arisa
女の子
はい。感染から守るはたらきについてもう少し教えてください!
よし!今回は細菌から体を守っている自然免疫細胞について詳しく説明するね!
Arisa

 

まだ前の章を読んでいないという方はこちらの記事をご覧ください↓

第1章 【免疫学入門】免疫(めんえき)ってなに?
第2章 【免疫学入門】初心者でもわかる細菌とウイルス 

 

 


 

細菌の感染から守る自然免疫の仕組み【簡単に復習】

 

Arisa
次のように細菌の感染から体を守っているんだよ

 

食細胞がこんな感じで細菌をやっつけています!

細菌が傷口に入ると、好中球やマクロファージといった食細胞(他にもマスト細胞や樹状細胞など)貪食作用(丸ごと食べること)によって殺します。

マクロファージなどは体の中に侵入したものが「細菌である!敵だ」と
認識する受容体を持っています。

この細菌を殺す反応は非特異的な方法であるため
自然免疫による反応ですね!

 

細菌についてもっと知りたいという方はこちらの記事をご覧ください。
【免疫学入門】第2章 初心者でもわかる細菌とウイルス

では、この自然免疫反応を起こす
自然免疫細胞について紹介します!

 

 

 

自然免疫細胞の紹介

 

ここでは4つの自然免疫細胞を紹介します。

 

 

マクロファージ(Macrophage)

まず、マクロファージが一体どんな細胞なのかご覧になっていただきましょう。

↓マクロファージが細菌を貪食している様子(黒い楕円のものが細菌、丸くて大きなものがマクロファージ)

ものすごい勢いで細菌を食べていますね!

 

では、マクロファージについて簡単に説明します。

単球(Monocyte)という血液の細胞が血管から組織に移動したものをマクロファージといいます!

マクロファージはいろいろな組織に存在し、
組織によって呼び方が違います。

例えば…

  • 肺→肺胞マクロファージ
  • 肝臓→クッパー細胞
  • 脳→ミクログリア
    他にも呼び方がたくさんあります。

どの組織でも貪食能(食べる能力)を持っています。

しかし、存在する場所によって細胞の見かけや機能が少し違うようです。

 

 

樹状細胞(Dendritic Cell : DC)

樹状細胞はどのような細胞なのでしょうか?ご覧になっていただきましょう!

↓樹状細胞の動いている様子

正直、未知の生物というかモンスターみたいですね。 怖いです。

 

では、樹状細胞について簡単に説明します。

樹状細胞は筋肉や気道上皮、粘膜など全身に存在します。

皮膚の表皮層(皮膚の一番外側の部分)にいる樹状細胞をランゲルハンス細胞といいます。

表皮層よりも内側の部分にいる樹状細胞は真皮樹状細胞といいます。

そして、樹状細胞は免疫細胞の中で抗原提示(抗原を他の細胞に見せる)能力が1番高いです!

 

 

マスト細胞(Mast cell, 肥満細胞)

マスト細胞という名前を聞いたことがない人が多いかもしれません。

まず、どんな細胞なのかご覧になっていただきましょう!

↓マスト細胞の脱顆粒(刺激を起こす小さい物質を細胞の外へ放出)の様子

丸くて大きい細胞から黒い小さな塩基性物質(顆粒)がたくさん出ていますね。

 

では、マスト細胞について簡単に説明します。

マスト細胞は主に気管支や粘膜に存在します。

そして、細菌の侵入の中で特にアレルギー反応で活躍します!

 

参考

ここで言う脱顆粒という反応は敵を察知したマスト細胞が活性化されて起きている現象です。

 

 

好中球(Neutrophil)

今までの章でたくさん出てきている好中球です。

どのように貪食しているのかご覧になっていただきましょう!

↓好中球が細菌を貪食する様子

好中球の貪食はマクロファージとは違いますね。面白いです!

 

では、好中球について簡単に説明します。

好中球は白血球(免疫細胞)の中で最も多く存在する免疫細胞です。

好中球も貪食能がありますが、
中性の顆粒を放出して細菌を殺菌する能力もあります。

顆粒をもっているというのはマスト細胞に似ていますね!

 

参考

好中球やマスト細胞のように細胞内に顆粒を持っている白血球を顆粒球といいます。

 

 

まとめ【自然免疫で細菌感染から守る仕組み】

 

Arisa
たくさんの自然免疫の細胞を紹介したよ!わかったかな?
女の子
はい、前より詳しくなった気がします!

それでは今回の記事をまとめます。

最初に細菌感染から体を守っているのは自然免疫であると説明しましたね。

その後に、次の4つの自然免疫細胞を紹介しました。

 

チェックリスト

  • マクロファージはいろんな組織に存在し、貪食能がある
  • 樹状細胞は全身に存在し、抗原提示能力が1番高い
  • マスト細胞は脱顆粒を起こし、アレルギー反応でよく活躍する
  • 好中球は最も多く存在し、貪食能が一番強い

 

このような細胞たちが次の図のように細菌から守っているといえるでしょう。

それぞれの細胞が活性化して、自然免疫をより強くするための小さい物質を放出しながら
細菌と闘っています!

 

大まかな流れは次の通りです。

 

  1. 細菌が侵入すると、マクロファージ・樹状細胞・マスト細胞が細菌を察知する
  2. それらが活性化して、自然免疫を強くするための物質を細胞外に放出する
  3. 物質に反応したマクロファージや好中球が駆けつける
  4. マクロファージと好中球が貪食や殺菌により細菌を殺す

 

ここまで読んでくださり、ありがとうございました!

 

興味がある方はこの続きも読んでみてください!!

 

 

 

オススメの免疫がわかる本

 

今回も免疫について楽しく学べる漫画を紹介したいと思います。

「はたらく細胞」と同じ作家の方が書いている

『はたらく細胞BLACK』です。

これは悪い生活習慣をしている人の体ではたらいている免疫細胞たちの話です。

つまり、常に忙しく働くことを強いられている(ブラック企業みたいな)
細胞のはたらきが描かれています。

「はたらく細胞」とは違った面白さがあるので、
ぜひ気になった方は試しに読んでみてください!


はたらく細胞BLACK 1巻(Web上で読める)

Arisa

地方国公立大学から旧帝大大学院に進学し、生物系の研究をしている修士1年生です。 趣味は読書。 ブラックコーヒーが好きでカフェイン中毒気味です。

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